金星の神秘の涙

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今朝、不思議な光景を見た。
7時前、朝の散歩に出たときのこと。

7時が近いと、空はもう明るみ始めている。といっても、光はまだ弱く、空はほんのり青く色づいているだけ。
地上には清新の空気が満ちている。
松山の今日の日の出は7時14分。日の出には間がある時刻。だけどそれは地上のこと。
上空高く昇れば、太陽はすでに顔を出しかかっている。だから、空は青ずんでいるのだ。

その青ずんだ空に、金星が浮かんでいた。
いつものぬめっとした金色ではなく、残月のように白く。
唯一の夜の名残。唯一の輝点。
いつものあの巨大なかたまりではなく、シミのような一点。
金星は名残を惜しんで空に浮かんでいた。

空はなおも明るみ、東の山の稜線が朱色を帯び始めた。
その向こうに太陽があるよと知らせる、ほんのりとした朱色。
山火事のようにぼわっと空が染まっている。

太陽が地平線に姿を見せた頃合い、ぼくはまだ山の向こうに太陽を予感することしかできない。大きな山が太陽を隠しているから。
でも、空はすっかり明るくなった。最前まで白いシミのように空にかかっていた金星は、もはや姿を探し出すこともできない。
金星は空に溶けてしまった。

そう思った矢先、ぼくは不思議な光景に出会った。
忘れることのできない神秘の光景。
ほんの1,2秒の出来事だった。
たっぷりと明るんだ空に、金星が突如、ぬめっとした金色の巨大な輝きを見せたのだ。
まるで空が明るんだことなど気づかぬような、夜空でしか見せない金星の生々しい姿。

ぼくは一瞬、眼前の出来事を理解できなかった。
超新星爆発?
そんな思いが頭をよぎった。
大きな輝きが空の一点に現れ、チカチカと二瞬きほどして、それは静かに消えていった。
でも、その姿はたしかに金星だった。
力尽きて滅びようとする金星が、最後の力を振り絞ってぼくに見せた別れの涙。金色の涙。
ぼくにはそう見えた。

一瞬の大気の揺らぎが演出した特異な現象であったと、冷静になれば、納得もできる。
それにしても、すっかり朝の光に満たされた空に出現したあの巨大な金色の輝き!
不思議だ。
宝くじに当たったような、偶然の大気の揺らぎに遭遇したのか。

ぼくの生涯において、二度目の出会いを期待することのできない初体験であったのかもしれない。

(2011/1/14)

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