藍の館の女工哀史 (徳島にて)

 秋分の日に、日帰りで徳島に行ってきました。ドイツ館、香川豊彦記念館、藍の館などを見ました。

 ドイツ館は、第一次世界大戦時のドイツ兵捕虜収容所跡にできた記念館です。捕虜と市民との交流は盛んだったようで、捕虜たちによる楽団が日本で初めてベートーベンの第九を演奏したことで有名です。
 隣に香川豊彦記念館があります。これもなかなかいいものでした。

 印象に残ったのは藍の館です。藍染めで財をなした豪商の家と仕事場が一種の博物館になっています。大きな造りの家で、買いつけに来た商人を泊めるいくつもの部屋や、贅を尽くした宴会用の大広間などをそなえています。
 中でも印象に残ったのは、女中部屋でした。まるで家畜小屋か囚人部屋のような、あまりにひどい人権無視に唖然としました。玄関の脇に仕事道具などをしまうのに使ったであろう小さな土間があり、一見そこは本当に単なる土間なのですが、その天井裏にかくし部屋のような部屋があるのです。外からちょっとのぞいたくらいでは気づかない構造になっています。広さは四畳半ほど。天井が低く、かがまないと入れない。窓などなく、昼間でもうす暗い。そこが女中部屋なのです。
画像
藍染め豪商の家。正面より。

 上がるための階段もないから、上り下りの際には土間から直接ハシゴをかけたのでしょう。朝早くから夜遅くまで働いて、そこは寝るだけの部屋だったと思われます。内働きの女中用です。何人いたのでしょう。少なくとも三人や四人はいたでしょう。彼女らがそこで一日の労働の疲れをいやすために雑魚寝をした。その様子が想像できます。
 作業場で働く男や女も、もちろんたくさんいました。重労働に明け暮れたことが、展示されている絵で想像できます。明治期の紡績工場などと同じく、労働力を搾り取って成り立つ藍染め工業であったことがわかります。その搾取の上にできあがった藍御殿であったわけです。

 途中のドライブインにカメラを置き忘れ(あとで出てきてホッとしたのですが)、写真を撮れなかったのが残念でした。上の写真はたまたまワイフが撮っていたものです。

(2011.9.26)

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